1/3ﾍﾟｰｼﾞ目 【わがまま】 帰りたいと願う。 早く帰って、前みたいに皆でわいわいと夕食を取りたいと思う。 それは我儘なことですか・・・・？ ねぇ、沖田さん。 これは我儘なことですか？ 今、目の前で傷ついている貴方にこういう事を思ってる私は我ままですか・・・・？ 私は、ただ貴方に守られるだけで何もしてあげられない。 「・・・千鶴ちゃん？」 「・・・沖田さん・・・・私はこのままでいいんでしょうか。」 私は、周りに居た浪士を片づけてきた沖田さんに尋ねる。 もちろん、新選組一番隊組長にかかればすぐ終わる事だ。 多少の傷はつきもので、命に別状がないだけ安心が出来る。 沖田さんは、不思議そうに私の顔を覗き込んでから隣の木に寄りかかる。 私は、顔を上げることができずにただ下を向いて沖田さんの動きを見る。 こんな弱い自分に呆れられてしまうだろうか。 そんな心配をしていると、暖かい大きな手が私の頭をそっと撫でる。 「沖田・・・さん・・・・・？」 「千鶴ちゃんは、千鶴ちゃんでいいと思う。 何もできないって、女の子なんだしそんな武道なんていらないでしょ。 佐之さんが言うとおり、女や子どもは男の背中に守られてていいと思うよ。」 沖田さんは、そう言ってその場を去ろうとする。 しかし、私は咄嗟に沖田さんの裾を掴み顔を上げる。 「・・・私は、貴方の役に立っていますか？」 沖田さんは、少し驚いたような顔をした後小さくいつものように笑って。 『君は十分、僕たちを助けてるんじゃないかな。』 とだけ言って、沖田さんは屯所に戻ってしまう。 見周りの報告や、不逞浪士の処理を土方さんに相談しなければいけないらしい。 私は、ただ一人澄み切った空を見上げる。 今はこんなところで立ち止まってるわけにはいかない。 そんなの分り切ってる。 私が、これ以上皆の迷惑にならないためには強くならなければいけない。 沖田さんは、今ので十分だって言ったけどまだ足りない。 私は、皆に何もしてあげられない。 そう思い立ち上がろうとすると、ドンっと言う音と共に私は誰かにぶつかる。 「すいませ・・・・」 「どこに行こうとしてたのかな？」 そこには、報告に行ったはずの沖田さんが立っていた。 私は、思わず目をそらしてしまい沖田さんの顔を見れない。 この屯所を出て少し剣を磨こうとしたなんて、言えるわけがない。 平助君ならまだしも、沖田さんは絶対に許してくれないと思う。 私がただ黙っていると、沖田さんは小さく息をついて私の手をひっぱり沖田さんの自室へと連れていかれる。 私は、されるがままについていき指示された場所に腰を下ろす。 「で、ここから出て何をしようと言うのかな。」 「うっ・・・・。」 「剣の稽古ならここでやればいいでしょ？」 「・・・・でも、それじゃ迷惑かける事に変わりありません。」 「・・・違うよ、僕が個人でつけてあげるって言ってるの。 ・・・・手加減なんてするつもりはないけど、君がどこかに行くよりはマシだよ。」 そう言って、沖田さんは私を抱きしめる。 その心強い暖かさに、思わず泣いてしまいそうになる。 この暖かさを持ってる人が、毎日命をかけて戦っている。 それが、今一番つらい。 「離れてなんかいかないでよ。僕の傍に居て、僕を支えていてよ。」 「・・・沖田さん・・・・？」 「君の事は守るし、稽古も付けてあげる。 だから、副長命令よりは弱いけど組長命令。君はここにずっといて、俺の傍を離れないこと。」 そう言って沖田さんは、私に触れるだけのキスをする。 そして、小さく笑って私を先ほどより強く抱きしめる。 私も、ゆっくり背中に手をまわし沖田さんに抱きつく。 この頼りがある人を手放したくないと思う。 我ままかもしれない。 こんな日々が早く終わって、皆で食事をするなんて。 でも、この人なら叶えてくれるんじゃないかって思う。 私の夢を抱えて、それをちゃんと叶えてくれるところまで届けてくれるんじゃないかって思う。 ね、沖田さん。 私、何もできないかもしれない。 けど、貴方に言われたからじゃなく傍に居ていいですか？ 貴方を守れるように、傍に居てもいいですか？ 「・・・好きです、沖田さん・・・・。」 これだけしか言えないけど、沖田さんは笑って受け入れてくれた。 後書き 何かいてるかさっぱり分かんないよ；； 眠すぎて、視界が半減されてる中で書いたから見直さなければ；； お付き合いくださりありがとうございました。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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