第13話 涙の決心

最愛のジュンヨンが生きていたと知って涙を流すヘイン。

そんなヘインを思いっ切り抱きしめるジュンヨン。

こうして、2人は昔のように「隠れ家」で時間を忘れて、再会できた事を喜び合った。

既に夜になっていた中でヘインの携帯にゴウンから電話が掛かって来た。
ジュンヨンは、「電話に出ろ」と託すが、ヘインは電池を抜き取った。

「もう帰ろう。ゴウンが帰りを待ってるよ」

「だからって、この手を離せって言うの?

嫌よ!もう離さない!今度は私が離さない!」

「俺達は、再会しても何も変わらない。
ヘインは、ゴウンの婚約者で歌手だ」

「だから…!?、だから何なの!?
今は、ジュンヨンだけが見えているのに又、離れ離れになるの!?」

「じゃあ…、どうするんだ!?、ゴウンはどうするんだ?
ゴウンを苦しめて、幸せになんかなれない」

ゴウンを気遣うジュンヨンにヘインは、泣きながら思いを伝える。

「私たち、充分、苦しんで来たじゃない!
悔しい位、苦しんだじゃない!
正直に言って!、本当に私が帰って良いの?
違うんでしょ!?、私が居なくても生きて行ける!?、生きて行けないでしょ!?」

「大丈夫だよ。今までも、そうやって来た。
ヘインも俺無しで生きて来た!
ゴウンは、何も知らないじゃないか…、言える訳ないだろ!?」

ヘインはショックを受け、「隠れ家」から外に飛び出すと、ジュンヨンが追い掛けた。

「離して! 離してよ!」

ヘインは、泣きながらジュンヨンの掴む手を振り切ろうする。

「どうだって、言うんだ!?」

「私が居なくても、生きて行けるんでしょ!?
じゃあ、やってみてよ!、本当に出来るかどうか!
ジュンヨンを失萎えて、私がどんな気持ちで生きて来たか、ジュンヨンもやってみてよ!!」

ジュンヨンは、必死でヘインを落ち着かせようとする。

「離して!、ジュンヨンの嘘つき!
また会いに来るって約束したくせにぃ!
地の果てだって、会いに来るって約束したくせにぃ!
どんなに後悔した事か…!、ジュンヨンの言葉を信じて、アメリカに行った事!
それなのに帰れって言うの!?嫌よ!!」

ヘインは、泣きながらジュンヨンを突き放すと駆け出した。
ジュンヨンも泣きながら追い掛けて、ヘインの腕を掴んで説得する。

「ヘイン!、やめろ!、頼むから、やめろ!」

「嫌よ!、離して!、嫌だってば!」

夜の静寂の中でヘインは、子供のように号泣しがら、ジュンヨンの足元に崩れ落ちた。

ジュンヨンも糸が切れたように号泣しながら、ヘインを抱き締めて、2人は泣き続けた。

そして2人は、2度と離れない事を誓い合った。

翌朝、ヘインはプレゼントとして、1年がかりで編み上げたジュンヨンへのセーターを着せた。
ジュンヨンは、歌手パク・ヘインとバレないようにと気遣って、変装用に白い帽子と大きなマフラーを用意した。

2人は、「一生をかけて、ゴンウに償う」と決めた。
そして、念願のウェーモンマウルへ行く事にした。

ヘインとジュンヨンは、市場で買い物を楽しみ、昔のように2人で冷麺を食べる。
ところが、ミンホの手下のハンイルとヨンチョルに目撃されていた。


ヘインが孤児でホステスの叔母に育てられたという記事が新聞に掲載された。
その結果、ヘインが失踪したとの噂がマスコミに広まった。
この情報は、ゴウンの義兄サンジンの指示でミンホが流したものだった。

ゴンウたちは、必死でヘインに連絡を取ろうとするが、ヘインの携帯電話は繋がらない。
一連の報道で激怒した父ガンイン会長からは、支援を断ち切られてしまう。

その頃、駅の待合室でジュンヨンは熱の出したヘインの為にヘインを待たせて薬屋へ向かう。
薬屋の店内で朝刊の新聞トップにヘインの記事が掲載されている事に気付いたジュンヨンが薬を買い終えて、駅へ戻るとヘインの姿はなかった。

既にヘインが駅構内にいると、連絡を受けて駆け付けたたゴンウ達が車に乗せて去った後だった。

マスコミから逃れる為に予約したホテルでヘインはゴンウに別れを切り出した。

しかし、ゴンウはマスコミ対策を理由にヘインの話を聞かずに早々と部屋を出た。

ジュンヨンは、酔いつぶれたゴンウを抱えて別荘に行く。
ジュンヨンは、ゴンウから母親の事やヘインへの想いを聞かされる。
一方、ヘインもゴンウに真実を告げる為に別荘に来る。
しかし、憔悴し切ったゴウンを見て決心が揺らぐ。

ヘインにとって、不遇にあった自分の目を治して救ってくれたのはゴンウであり、父親に逆らい、全てを失ってまでも自分を守ってくれたのもゴンウだった。
ヘインは悩んだ末にゴンウと生きる道を選択するした。

そんなヘインの選択をジュンヨンも理解する。

翌日の記者会見でヘインは、自分がアメリカ街の出身であり、叔母に育てられた事を認めて、「アメリカ街の出身である点を恥じていない」と語った。

またゴンウは、ヘインとの交際を認め、結婚したいと発言した。
これを受けて、記者がヘインに質問するとヘインは、一瞬の間をおいて、自分の気持ちを話し出す…。。





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